書評009: そして殺人者は野に放たれる / 日垣 隆

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刑法第39条に警鐘鳴らし本。これまでの幾多の判例を用いてどんだけ乱用されているかを紹介してくれる本。
日本国内ではいかなる犯罪を犯しても、心神喪失や心神耗弱が適用された瞬間に不起訴(起訴されても無罪)となり、そういった犯罪者を収容するシステムがなく、犯罪者ではない人間も入院している精神病院におくられるだけという実情。そして、病院では適切な治療もされず、数年でまた社会に、この本のタイトル通り野に放たれるというわけ。
このシステム自体が問題だけれど、この本でわかるのは心神喪失状態と判断される経緯が犯人の策略(=人権派と言われる弁護側の入れ知恵)通りに安易に適用されていること。一度これで無罪になると、この裏技を学習したやつは自らこの状態を作り出して再犯する確立が超高いという。
わざと酒を飲んで泥酔して殺人をしても、泥酔=心神喪失とみなされて無罪になるらしいですよ。こわ?
ちょっと前に光市の母子殺人事件で死刑是非について凄い議論されてたけど、もっと議論すべきはこの39条だとますます思う。
過程を裁くのではなくて、結果について裁ける法治国家に早くなってほしいと切に願います。法治なのか放置なのかわかんないわ。

★★★★☆

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