Archive for the ‘書評’ Category

書評009: そして殺人者は野に放たれる / 日垣 隆

2008/06/08 Posted in 書評 | No Comments »

刑法第39条に警鐘鳴らし本。これまでの幾多の判例を用いてどんだけ乱用されているかを紹介してくれる本。 日本国内ではいかなる犯罪を犯しても、心神喪失や心神耗弱が適用された瞬間に不起訴(起訴されても無罪)となり、そういった犯罪者を収容するシステムがなく、犯罪者ではない人間も入院している精神病院におくられるだけという実情。そして、病院では適切な治療もされず、数年でまた社会に、この本のタイトル通り野に放たれるというわけ。 このシステム自体が問題だけれど、この本でわかるのは心神喪失状態と判断される経緯が犯人の策略(=人権派と言われる弁護側の入れ知恵)通りに安易に適用されていること。一度これで無罪になると、この裏技を学習したやつは自らこの状態を作り出して再犯する確立が超高いという。 わざと酒を飲んで泥酔して殺人をしても、泥酔=心神喪失とみなされて無罪になるらしいですよ。こわ? ちょっと前に光市の母子殺人事件で死刑是非について凄い議論されてたけど、もっと議論すべきはこの39条だとますます思う。 過程を裁くのではなくて、結果について裁ける法治国家に早くなってほしいと切に願います。法治なのか放置なのかわかんないわ。 ★★★★☆ amazonへ

書評008: 職業欄はエスパー / 森 達也

2008/06/08 Posted in 書評 | No Comments »

エスパー清田、秋山眞人、堤裕司の3人の超能力者にスポットをあてた森さんドキュメント本。下山事件の本がえらいすっころんでたけど、これは面白かった。ていうか下山本も事件の謎を解くっていう視点で見ないで、ドキュメンターのドキュメント本として読めばそれなりに楽しめたのかもしれない。 フラットな視点で3人を追っていく筆者が、3人との付き合いが長くなるにつれて、フラットに見れなくなる瞬間の、それを抑えようとする葛藤の描写が面白い。超能力番組の裏側、それを利用しながら生きる秋山のしたたかさも興味深くて読みいってしまう。 そしてこの本が出てから大麻所持で逮捕されているのでその際に筆者は何を思ったのかも気になる。 ★★★★☆ amazonへ

書評007: 無関係な死・時の崖 / 安部公房

2008/06/08 Posted in 書評 | No Comments »

数年前に成田行くまでのバスで砂の女を読んで以来の阿部公房。短編集だけあってライトな内容で面白い。砂の女の印象から都市から外れた退廃的な情景の話ばっかりかと思ってたけど、SFもあったりで幅広いのね。他の作品もあったら読んでみよう。安部公房の作品のレビュー見ると結構難しく考察してるけど、自分は「ふっしぎ?」で終了してしまう性格なので全体的にはそんな感想。 ★★★☆☆ amazonへ

書評006: 職人ワザ! / いとうせいこう

2008/04/11 Posted in 書評 | コメントは受け付けていません。

いとうせいこうが自分にゆかりがある職人と対談をする連載をまとめた単行本(の文庫)。爆笑問題の本に続いて息抜きのつもりで読んだらドップリハマる面白さ!職人相手の対談だけあって、技術的な話に終始することが多いけど、いとうせいこうの絶妙な知識バランスで判り辛い部分も噛み砕いて説明されたようになるので、すんなり入れる。 扇子作り職人や、手ぬぐい職人等下町っぽい人に限らず、スイッチャーの人(と今は言わないらしい)や、ラジオの効果音技師の人にもスポットを当てて人選が幅広い。 結構皆さん経歴とか仕事の手法はバラバラだけど、共通して言えるのは自分のやることに対してストイックで自己管理が厳しいということと、職人が作るものは必ずその道具を使う人も存在するので、ひとりよがりになっていない。あと、人として他人を引き込む粋なユーモアも忘れていない。魅力的なモノを作る人は、人間的にも魅力的ということでしょうか。 まがいなりにも自分も音を作ってるので、ストイックに追求する心とそれを楽しむ人の事は忘れない、1曲出来上がったらゴールでなく、次の作品のスタートになる気持ちを持つということを再確認した一冊。 なにかしらモノ作りに携わってる人は読んだ方がいいと思う本でした。 ★★★★★+★ amazonへ

書評005: 爆笑問題の「文学のススメ」

2008/04/11 Posted in 書評 | コメントは受け付けていません。

基本的にテレビでやってたやつを、そっくりそのまま文字に起こしただけというなかなか乱暴な本。テレビが面白かっただけに、文字にしてもあんまり伝わらない&太田もテレビトーク用にほとんどボケに徹しているので文字だと本気でうっとおしいだけという。 その反面、ちゃんと本になることを前提に会話が進んでいる(と思われる)児玉清とのトークはお互いの読書好きアピール炸裂で面白い。話の中で出てくる太宰に限らず、物語っぽいのはほとんど読んでないけど、たまには読んでみようかなー ★★☆☆☆ amazonへ